(仮訳)パキスタン北西部に産したAmanita cinisA. olivovaginataの2新種および新産種A. emodotrygon
Ullah, S. et al., 2019. Amanita cinis and A. olivovaginata (Basidiomycota, Amanitaceae), two new species, and the first record of A. emodotrygon, from Northwestern Pakistan. Turkish Journal of Botany. Available at: http://online.journals.tubitak.gov.tr/openInPressDocument.htm?fileID=1191161&no=208880&fileType=Report%20Document [Accessed September 10, 2019] 【R3-06575】2019/9/10投稿

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3行まとめ

パキスタン北西部で採集された2種の菌を検討し、Amanita cinisおよびA. olivovaginataとして新種記載した。
前者はRoanokenses節、後者はVaginatae節に含まれた。
また、インドから知られていたA. emodotrygonをパキスタン新産種として報告した。
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Shangla District, Ajmir, Sham Burj

(新種)

Amanita cinis S. Ullah, A.W. Wilson, Tulloss & Khalid
語源…灰の(傘表面の外被膜の名残の色から)
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Amanita magniverrucata
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく米国などに分布する
本種と異なり子実体の形状が細長い
本種より傘が比較的淡色
本種と異なり傘表面の外被膜の名残が初め全体を厚く覆いかなり平滑で、のちに小区画状になって大型かつ明瞭なピラミッド状の疣になる
本種より担子胞子の幅が狭い
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita rubiginosa
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘表面に疣状~ピラミッド状の外被膜の名残を有する
本種と異なり傘表面の疣の先端がしばしば白色
本種と異なり柄基部の被膜の名残が疣状をなす
本種と異なり柄基部の塊茎がしばしば赤色を帯びる
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita pyramidata
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘表面に疣状~ピラミッド状の外被膜の名残を有する
本種と異なり柄基部の塊茎縁部が時に桃色を帯びる
本種と異なり柄基部表面が疣状~円錐形で屈曲し、しばしば帯状をなす小鱗片に覆われる
本種より担子胞子が短い
本種より担子胞子の幅が広い
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita macrocarpa
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種より子実体のサイズが大きい
本種より傘のサイズが大きい
本種と異なり傘表面にピラミッド状の被膜の名残を有する
本種と異なり柄基部に帯黄色~帯褐色の疣状のつぼの名残を有する
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita gymnopus(カブラテングタケ)
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり柄基部にしばしばつぼの名残を欠く
本種より担子胞子のサイズが小さい
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita oberwinklerana(ニオイドクツルタケ)
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が白色
本種と異なり傘表面につぼの名残を欠くか時に1-3個の大型パッチ状のものを有する
本種と異なり柄が白色
本種と異なり柄表面が繊維状~綿毛状の白色小鱗片に覆われる
本種と異なりつばを次端部~やや中位に有する
本種と異なりつぼに縁取りを有する
本種より担子胞子が短い
本種と異なり担子胞子が長楕円形または類円筒形で稀に楕円形なのではなく広楕円形~楕円形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita neoovoidea(シロテングタケ)
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が白色~類白色
本種と異なりつぼに縁取りを有する
本種と異なりつぼが膜状
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形または類円筒形で稀に楕円形なのではなく広楕円形~楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita kotohiraensis(コトヒラシロテングタケ)
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく韓国、中国などに分布する
本種と異なり傘が白色
本種と異なり傘表面に被膜の名残をフェルト状~パッチ状に有する
本種と異なり柄が白色
本種と異なり柄表面が微細な白色小鱗片に覆われる
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形または類円筒形で稀に楕円形なのではなく広楕円形~楕円形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita caojizong
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくタイなどに分布する
本種と異なり傘が帯褐灰色~暗灰色
本種と異なり傘に時に中丘を有する
本種と異なり傘表面に内在する暗灰色放射状の繊維を有する
本種と異なり傘表面につぼの名残を欠くか時に白色パッチ状に残る
本種と異なり柄が白色
本種と異なり柄表面が繊維状~粉状の白色小鱗片に覆われる
本種と異なりつばが早落性
本種と異なりつぼに縁取りを有する
本種と異なりつぼが膜質
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種より担子胞子のQ値が小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形または類円筒形で稀に楕円形なのではなく広楕円形~楕円形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita proxima
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくフランス、キプロスなどに分布する
本種と異なり傘が類白色~象牙色
本種と異なり傘表面の被膜が黄褐色~帯赤褐色
本種と異なり内被膜が膜質
本種と異なりつぼが黄褐色~帯赤褐色
本種と異なりつぼが膜質
本種より担子胞子のサイズが小さい
本種と異なり担子胞子が長楕円形または類円筒形で稀に楕円形なのではなく楕円形~長形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita nana
パキスタンに分布する
本種と異なり菌根菌のグループに含まれない
本種と異なり傘が白色
本種と異なり外被膜が顕著である
Pakistan, Khyber Pakhtunkhwa, Shangla District, Dherai

(新種)

Amanita olivovaginata S. Ullah, Tulloss & Khalid
語源…オリーブ色のVaginatae節の(傘の色から)
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【よく似た種との区別】
Amanita ovalispora
傘縁部に条線を有する
柄表面が繊維状~羊毛状
つばを欠く
つぼが袋状
担子胞子のサイズの範囲が重なる
実質が薄い
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が淡オリーブ褐色~淡い帯灰オリーブ色ではなく灰色~鈍灰色
本種と異なり傘がしばしば初め鐘形で、のちに扁平凸形~凸形で時に僅かに中高
本種と異なり襞の間隔が密
本種と異なり襞の縁部が平滑
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく卵状楕円形または広楕円形~楕円形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita pseudovaginata(カブラツルタケ)
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国、ロシアなどに分布する
本種と異なり子実体が帯灰色で時に褐色を帯び、ほぼ白色のこともある
本種と異なり柄表面が平滑
本種より担子胞子のサイズが大きい
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita vaginata(ツルタケ)
ITS領域に基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくロシアなどに分布する
本種と異なり傘が淡オリーブ褐色~淡い帯灰オリーブ色ではなく帯灰色
本種と異なり傘に中丘を欠く
本種と異なり傘縁部に条線を有する
本種と異なり襞の間隔が密
本種と異なり襞縁部が全縁
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり担子胞子が広楕円形~楕円形ではなく球形~類球形
ITS領域に基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita subovalispora
担子胞子が広楕円形~楕円形
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなくタイなどに分布する
本種と異なりフタバガキ科-ブナ科森林に生息する
本種と異なり傘が淡オリーブ褐色~淡い帯灰オリーブ色ではなく暗灰色で中央がより暗色の帯灰黒色
本種と異なり襞が上生~ほぼ離生
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種より担子胞子が長い
本種と異なり柄基部のつぼの名残に豊富な膨大した細胞を含む
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される
Amanita olivaceofusca
形態的に類似している
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で近縁
本種と異なりパキスタンではなく中国などに分布する
本種と異なり傘が淡オリーブ褐色~淡い帯灰オリーブ色ではなく褐色~暗褐色でオリーブ色を帯びる
本種と異なり襞の間隔が密
本種と異なり担子器が2胞子性ではなく4胞子性
本種より担子胞子のサイズが大きい
本種と異なり柄基部のつぼの名残の内側に豊富な膨大した細胞を含む
ITSおよびnrLSUに基づく分子系統解析で明瞭に区別される

(パキスタン新産種)

Amanita emodotrygon Mehmood, Tulloss, K. Das, Iqbal Hosen & R.P. Bhatt
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